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常に帰りたいと喚き続けてる、実験器具の支配する狭い空間に囚われた逃亡者。
読書とネットが趣味という超インドア派。
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某コンビニエンスストアでやってるフェアのプレゼント、あれ普通の生活してたらもらえないと思うんですが、値の部屋には小鉢が4つにフォークが1本あるこの状況。
相変わらずの生活やってます
校訂どころかいっそ書き直したいと思うsss、内容のなさとダメダメさと亀の年魚みなことには自身がもてます。
第6回(たぶん) おいらくの恋
カカシが宛がわれた部屋は、護衛対象である子供の部屋の次の次の間だった。目の前は、人工的な水面があった。よく手入れされているらしく、透明度の高い水の奥に沈められている石すらよく見えた。
あの子供も、このような光景を見ているのだろうか。
謁見に用いられた部屋からはこの見事な庭を一望できたが、謁見で使われた部屋からは、池だけではなく森まで見えた。
設えられた部屋が次の間でなかったのは、やはり余所者の忍者ということが大きかった。ここ数年騒乱もない上に元々が辺鄙な土地の所為か、身内に甘く他者を好まない性格のある国だ。口では「信用する」といいながら、実際は主家に危害を加えないかと、カカシを見張る目がしっかりとある。
わかっていたけれど、まさかこれほどまでとはね。
忍者をここまで信用しない国というの珍しいと考えて、カカシは己の考え違いに首を振った。そうではない、これは牽制…いや、用心だ。
彼は、「忍者になりたいと叫ぶ子供に忍術を教えるという名目の、謂わば『お守り』の任務を受けた忍者」なのだ。護身術程度の剣術や柔術を教えるだけならばともかく、もしふとしたことから、本当に忍術を教え、あまつさえ主筋に当たる子供を里に連れて帰ったりしないかと不安なのだろう。
つい先ほど、顔をあわせたばかりの子供を思い出す。
よく練られた絹の上下にはいたるところに金糸銀糸で縫い取りがしてあり、地模様は家紋を崩したような堅苦しい花模様でおよそ子供には似つかわしくない衣類にまるで埋められるかのようにしていた小さな体。病の所為か、写真で見たものよりも不健康な目。僅かに見えた指先は、日に当ったことがあるのかどうか疑わしいほど白かった。
あんな子供が忍者に?いっそ馬鹿馬鹿しくて笑えてくる。
忍者の養成方法は里によっていろいろと特色がある。が、基本はどこもさほど変わらない。忍術を操るためのチャクラの練り方の修練と、戦闘に耐えうるだけの体力及び体作りだ。忍として生きるために絶対に必要なそれらは、どこでも変わらないからだ。
…ま、そこから先、特に各里特有の忍術を教える段階からは格段に秘匿性が増し、ほかには知られないことが多くなるけど
すがり付いてきた子の細い指を思い出す。
あれでは、本当に箸より重いものなんて持ったことがないのかもしれない。およそ、労働というものをしたことのない手だった。
そんな子供に、忍術?
はっきり言ってしまえば、馬鹿馬鹿しいと通り越す話だ。本当ならば、一笑に付して対面だけは木の葉の名前を汚さぬよう注意を払いつつ、1週間という予定をこなすべきだろう。
しかし、その簡単であるはずのことが、カカシにはどうしてだか納得できないのだ。
『あんたは人を殺す力をくれたのに』
あの言葉が耳の奥で反響している。
カカシは、結局、部下として新人を1回しか持たなかった。弟子と呼べる存在を1度きりしか作らなかった。そして、たった3人のその中で、彼が自身で『殺人技』を教え込んだのは、たった1人。
かつて、自分で編み出したときのままの呼び名ごと渡した術を、サスケはカカシ以上に見事に使いこなしてみせていた。
…サスケかもしれない。
そう思わず考えてしまって、あわてて否定する。
里のものならば、みんな知っていることだ。あの千鳥を俺がサスケに教えたことは。いや、里だけじゃない。サスケが千鳥を使えることは、10年前じゃ周知の事実だった。こんな辺境な国の王子様が知っていたって不思議じゃない。
何度もそう言い聞かすのに、心の奥から沸き起こる感情に引きずられてしまうのをとめることができない。
あれがもしサスケなら…
救えなかった彼を今度こそ守ることができる。
救うことができる。
ごくりと、喉が鳴った。
「はたけ様、よろしいでしょうか」
「はい、なんですか」
「アオイ様がおよびでございます。どうぞお越しくださいませ」
「わかりました」
襖越しに答えるだけでカカシは精一杯だった。
現実にしがみつくことしかできなかったからだ。
非現実的な出来事への期待なんてするものじゃないことは、今までの経験から十分すぎるほど知っていたために。
あの子供も、このような光景を見ているのだろうか。
謁見に用いられた部屋からはこの見事な庭を一望できたが、謁見で使われた部屋からは、池だけではなく森まで見えた。
設えられた部屋が次の間でなかったのは、やはり余所者の忍者ということが大きかった。ここ数年騒乱もない上に元々が辺鄙な土地の所為か、身内に甘く他者を好まない性格のある国だ。口では「信用する」といいながら、実際は主家に危害を加えないかと、カカシを見張る目がしっかりとある。
わかっていたけれど、まさかこれほどまでとはね。
忍者をここまで信用しない国というの珍しいと考えて、カカシは己の考え違いに首を振った。そうではない、これは牽制…いや、用心だ。
彼は、「忍者になりたいと叫ぶ子供に忍術を教えるという名目の、謂わば『お守り』の任務を受けた忍者」なのだ。護身術程度の剣術や柔術を教えるだけならばともかく、もしふとしたことから、本当に忍術を教え、あまつさえ主筋に当たる子供を里に連れて帰ったりしないかと不安なのだろう。
つい先ほど、顔をあわせたばかりの子供を思い出す。
よく練られた絹の上下にはいたるところに金糸銀糸で縫い取りがしてあり、地模様は家紋を崩したような堅苦しい花模様でおよそ子供には似つかわしくない衣類にまるで埋められるかのようにしていた小さな体。病の所為か、写真で見たものよりも不健康な目。僅かに見えた指先は、日に当ったことがあるのかどうか疑わしいほど白かった。
あんな子供が忍者に?いっそ馬鹿馬鹿しくて笑えてくる。
忍者の養成方法は里によっていろいろと特色がある。が、基本はどこもさほど変わらない。忍術を操るためのチャクラの練り方の修練と、戦闘に耐えうるだけの体力及び体作りだ。忍として生きるために絶対に必要なそれらは、どこでも変わらないからだ。
…ま、そこから先、特に各里特有の忍術を教える段階からは格段に秘匿性が増し、ほかには知られないことが多くなるけど
すがり付いてきた子の細い指を思い出す。
あれでは、本当に箸より重いものなんて持ったことがないのかもしれない。およそ、労働というものをしたことのない手だった。
そんな子供に、忍術?
はっきり言ってしまえば、馬鹿馬鹿しいと通り越す話だ。本当ならば、一笑に付して対面だけは木の葉の名前を汚さぬよう注意を払いつつ、1週間という予定をこなすべきだろう。
しかし、その簡単であるはずのことが、カカシにはどうしてだか納得できないのだ。
『あんたは人を殺す力をくれたのに』
あの言葉が耳の奥で反響している。
カカシは、結局、部下として新人を1回しか持たなかった。弟子と呼べる存在を1度きりしか作らなかった。そして、たった3人のその中で、彼が自身で『殺人技』を教え込んだのは、たった1人。
かつて、自分で編み出したときのままの呼び名ごと渡した術を、サスケはカカシ以上に見事に使いこなしてみせていた。
…サスケかもしれない。
そう思わず考えてしまって、あわてて否定する。
里のものならば、みんな知っていることだ。あの千鳥を俺がサスケに教えたことは。いや、里だけじゃない。サスケが千鳥を使えることは、10年前じゃ周知の事実だった。こんな辺境な国の王子様が知っていたって不思議じゃない。
何度もそう言い聞かすのに、心の奥から沸き起こる感情に引きずられてしまうのをとめることができない。
あれがもしサスケなら…
救えなかった彼を今度こそ守ることができる。
救うことができる。
ごくりと、喉が鳴った。
「はたけ様、よろしいでしょうか」
「はい、なんですか」
「アオイ様がおよびでございます。どうぞお越しくださいませ」
「わかりました」
襖越しに答えるだけでカカシは精一杯だった。
現実にしがみつくことしかできなかったからだ。
非現実的な出来事への期待なんてするものじゃないことは、今までの経験から十分すぎるほど知っていたために。
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